絶食が終わり一つの道を見出す午後
絶食三日目、朝起きたらすこぶる調子が良い、空腹もなく、このままハッピーに行けるのではないかとおもったが、なぞの恐怖と、飽くなき食への探究心が働き、朝食に軽いお茶漬けを食べる。
すっと入っていくお茶漬け、すぐにお腹いっぱいになる。
インターネットだと、ご飯美味しい!!やばい!!こんなにも食に対して感動できるなんて!!おかゆがこんなにも美味しく感じるとは!!!!
みたいな事が書かれていたので、非常に期待してたんですが、なんてことはない、普通のお茶漬け、なんなら少し薄いお茶漬けっていう感想でした。
おいおい、なんだよ、期待した感じと全然ちゃうやんけ、なんならもう一日待つべきでしたか??なんて思う始末、しかも食ったら食ったで、眠気が来るとかいうポンコツ具合な俺の身体、
確かに痩せた。全体的に肉がなくなった感じもある、なんなら筋肉落ちてない?という気持ちにもなってる。
まぁいいかと思い、出社してすぐにMTG、相も変わらずカタカナ語が多い、
そんでMTGあけて昼飯、絶対中華そば食う!!!と意気込んでいたので、同僚とラーメン屋へ、本当はあんまりよくないのでしょうが、どうしてもラーメンが食いたかったので、行きました。
そしてやってくる中華そば大盛り煮玉子トッピング、スープを一口すする……
うっっっっっっっっっっっま!!!!!!!!!!
え!?うまい!!!なにこれ!!!びびる!!
ここのラーメンってこんなに美味かったっけ!?!?!?!?!?
おそるおそる二口目のスープをすする……
うっっっっっっっっっっっっっま!!!!
べらぼうに美味い、ちょっとまて、これで麺すすったら俺、死んでしまうんやないか
なんでラーメン食べたらこの人しんでしまうん??せつこ!それラーメンやない!中華そば大盛り煮玉子トッピングや!!
命の危険を感じながらラーメンの麺をすする。
高鳴る鼓動、そうそれははじめて女性に告白をするときのような、もしくははじめて夜中まで一人で起きて、トゥナイトを見たときのような、得体の知れない高揚感、背徳感そう胸のドキドキを感じながらラーメンをすするのだ。
そんな経験を今までしたことがあっただろうか?
そのまた昔、大学生だったころ、一人暮らしをし始め、それにマンネリを感じていた頃、夜に一人、飢饉で村がやられ、飢えに苦しむ農民田吾作という設定で、暗がりの中ひもじい…ひもじい…もうだめだ、オラはここで死ぬんだ……と諦めかけたとき、ふと目の前の机を見たとき、そこには光り輝く一つのぶどうパンが……
周りを見渡す農民田吾作、震える手でそのぶどうパンを掴む、またゆっくりと回りを見渡す田吾作……誰もいないことを確認し、一心不乱にそのぶどうパンを貪り始めた。
うまい!なんだこの食べ物は!甘い……みるみる腹が膨れていく、そして気がつく田吾作、その隣には冷えた水がコップに入っている。
それを一気に飲み干し、身体中に水分が染み渡るのを感じる。
そして残ったぶどうパンをまた貪りにかかる。
うまい、なんたる幸福か、色々な事が田吾作の脳裏をよぎる。
妻と子供と苦しいながらも毎日楽しく暮らしていたこと、村の小さな祭りで裸で踊り回ったこと、一揆を起こそうとした村長を説得し、互いに殴り合ったこと、
村に飢饉が襲いみな、死んでいったこと……
田吾作はぶどうパンを食べ終え、ぶどうパンの入っていいたであろう紙袋に頭を下げ、手を合わせ、泣きながら「ありがてぇ、ありがてぇ」そうつぶやきながら、何度も何度も手を合わせたのだ……
なんの話やこれ、もう田吾作の日記じゃんこれ、
とりあえずラーメン食いました。
くっっっっっっそ美味かった!!!!
そこで聡明な僕は気が付きました。
食べることを辞めてはいけないのだと、体型が気になるのであれば運動するべきだと、
そうここで僕は思い立ったのだ。
筋トレをしよう、バッキバキの身体になろう、クリスティアーノ・ロナウドみたいになろう。
そしたら毎日おいしいご飯を好きなだけ食べて、身体も引き締まり、嫌な上司や取引先を握りつぶせるはずだ!!
そして、そして、田吾作も報われるはずだ。
そうすべては田吾作のために!!!!
イエスユア田吾作!!!!!!!
まぁ今日はこんな感じです。